突然ですが、
皆さんは地元の自治体に対してこんな経験はないでしょうか?
「電話で問合せたら対応がめちゃくちゃ悪かった!」
「書類の郵送はできないと言われた!」
「窓口に行ったら身分証の印刷は自分でしてくださいと言われた!」
あるあるですよね。
私も自分の住んでいる自治体で住民として体験していることです。
自身も同業者でありながら、なんでこんな対応しかできないんだ!と
頭にきたことも何度もあります。
一見すると、対応する職員やその上司が無能で
きめ細やかな住民サービスができないと思われがちです。
確かにそのようなケースもないわけではありません。
しかし、彼らも難関?な公務員試験を突破して
一応まっとうな行政運営をしているわけです。
そして彼らも一住民として行政サービスを享受しているわけです。
そんな彼らが自分が住民側ならこういうサービスがいいということを
まったく思いつかないとうことを想像することの方が難しいです。
本記事では、11年間自治体で働いた筆者が、
この不思議な体質について独自の見解を述べたいと思います。
彼らの行動の背景を知ることで、
地元の自治体と折り合いがつけやすくなり、
生活しやすくなることもあると思います。
参考にしていただければ幸いです。
目次
結論から言うと、
それは、年功序列・終身雇用制度です。
この時代にあって、能力成果主義ではないのです。
どんなに成果を上げようが、給料には還元されません。
通常の会社では、
給料を上げたい
→会社の売上を伸ばす
→営業成績などの個人の成果を上げる
→顧客サービスが上がる
しかし役所では、
給料を上げたい
→売上という概念がない
→個人の成果を上げても意味がない
→住民サービスが変わらない
こんな構造です。
普通は成果が認められて
昇進して給与が上がるという仕組みですが、
公務員は給料表に基づいて給料が決定されるだけです。
中には上司から気に入られて
少し昇進が早い方もいますが、
それでも2、3年もすれば周囲が追いついてきます。
逆に、業務効率化のために一生懸命働いても、
自分の残業代が減ることで、年収が下がるだけです。
大きく住民サービスが変わるのは、
法律が変わるときか
自治体のトップである首長が変わるときだけです。
当然ですが仕事はボランティアではありません。
お金に関係してはじめて仕事して成り立ちます。
つまり彼らには、
住民サービスをよくするだけの理由がないのです。
業務が非効率な理由には人事制度以外にも、
業務特有の法律上の縛りも存在します。
自治体の職員が業務には殆どの場合、
法令根拠が存在します。
法律を執行する人、それが行政職員なのです。
逆に法令根拠がないことについては、
業務を実行する義務がないのです。
もし仮に実行してした場合、
場合よっては、法令とは逸脱した業務とみなされて
懲戒処分を受けることもあります。
もちろん、法令が関係ないところでどれだけ
住民のために動けるのか、という点で
その自治体の行政サービスの質が決まってくるのですが、
先に述べたことと合わせて、
彼らは大きく逸れて業務をするだけのリスクが大きく
メリットが少ないのです。
年功序列・終身雇用制度に加え、
副業禁止ということも業務効率に悪影響をもたらします。
※詳しくはこちらを参照↓
(残業をやめない職員へ)
公務という奉仕者としての立場上、
営利目的の副業が禁止となっているため、
中々増えない給料に依存するしかありません。
本当にお金を必要としている人の場合、
彼らは無理に住宅ローンを組んでいたり、
無駄な出費を減らすことができずにいます。
残業代を見越して生活の基盤を築いているため、
無意識のうちに生産性を減らすようになります。
無駄な資料を作成したり、ダラダラとメールを打つほか、
ときには職員同士で数時間おしゃべりをしているのです。
彼らには特に継続的に行っている余暇活動はなく、
家と職場の往復が生活の大半を占めます。
最近では、ある一定の時間までは残業代は出ない
組織も増えてきましたが、
ある程度自主財源が確保できている自治体では、
職員の人件費はまだまだ青天井です。
当然、上司に目をつけられますが、
上司からの注意を寄せ付けません。
残業してしまえば彼らの勝ちです。
既成事実をつくると残業代を出す他ないのです。
もちろん公務員なのでその程度で首を切られることはありません。
自分の主張を強く声にすることができずに、
ただただ与えられた業務をひたすらこなすタイプの人間が
公務員には多いということです。
ボランティア精神という意味では、
大変素晴らしい特徴ではあります。
しかし、彼らの給料は我々の税金が出どころですので、
我々の感情が揺さぶられることは必然です。
じゃあ、私はどうしていたのかというと、
趣味の筋トレをしたい→つまらない仕事で残業したくない→時間内に終わらせる
つまらない仕事が嫌い→少しでも変えられる部分を工夫→業務効率化が楽しみこんな感じだったと思います。
なので、年収は同年代の職員の平均的なものよりも低かったと思います。
お金よりも有意義に生きることに重きをおいていたので。
正直、同僚とは反りが合わないことが多かったです。
彼らの多くは継続的な趣味や一定の目標を持たずに、
強い使命感で仕事をしていたためです。
私にはそれはただの思考停止にしか思…
様々な生き方があるということですね。
自治体は、よく、”お役所仕事”などと呼ばれ、
ルールを変えようとせずに、決まりきったことしかやらない、
というように揶揄されます。
また、 ”箱物行政”や”はんこ行政”など、
中身が形骸化している組織であると言われることもあります。
一昔前から呼ばれているのに、
変わらないのにはきちんと理由があるのです。
業務の背景にある公務員の仕組みが
非効率な行政サービスを生んでいるということを念頭に置けば、
頭に来てもやり過ごせるようになりませんか?
「やっぱり行政だよなぁ」と思ってやり過ごせばよいのです。
目の前の職員ではなく、行政の仕組みを恨みましょう。
その行政の仕組みを作っているのは、国であり、
その国の議員を選んでいるのは我々国民なのですから。
このように公務員の実態についてご理解いただけたかと思います。
それでも公務員の仕事をしたいという人を止めることはしません。
しかし、このような組織の仕組みや働き方に疑問を抱く方には、
いち早く行動をすることをおすすめします。
早く行動する人がそれだけ早く自由を手にすることができます。
私も道半ばですが、このような情報をきっかけに
いっしょに行動する人が増えれば嬉しいと思います。